みなさま、こんにちは。齊藤です。
今回のテーマは、「最低賃金」です。
近年、様々な情勢を背景に、物価の上昇が止まる事がありません。
最低賃金は、従業員だけでなく、
会社の人事担当者にとっても大きな影響があります。
今回は、最低賃金について在籍20年以上の当社スタッフに聞いてきました。
早速、まとめていきたいと思います!
最低賃金とは?
従業員の生活を保障し、適正な賃金水準を確保するために、
国が定める最低限度の賃金のことをいいます。
最低賃金は、毎年10月に改定されます。
最低賃金は、従業員が受けるべき
最低限の賃金を法律で定めたものです。
これは、従業員が一定の生活水準を
維持できるようにするため、適正な賃金水準を確保し、労働市場の健全な発展を促進するために
設定されています。
最低賃金の種類
最低賃金には、
「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の
2種類があります。
●地域別最低賃金
産業や職種に関わりなく、
都道府県内の事業場で働く全ての従業員に対して適用されます。
●特定最低賃金
特定地域内の特定の産業で働く従業員とその会社に対して適用されます。
地域別最低賃金よりも高い水準で最低賃金を
定めるべきとされた、特定の産業に設定されている最低賃金です。
地域別最低賃金と特定最低賃金の両方が同時に適用される場合には、
会社は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
最低賃金法
最低賃金は、「最低賃金法」という法律で
決められています。
これは、従業員が受けるべき最低限の賃金を保証するためのもので、これを下回る賃金を
支払うことは法律で禁じられています。
最低賃金の決定方法
最低賃金は、都道府県により異なります。
労働環境や生活費等を考慮し、各都道府県の最低賃金審議会によって決定されます。
その後、厚生労働大臣の認定を受けて公示され、
効力を発生するという流れになります。
全国加重平均
最低賃金の全国加重平均は、
2022年度で時給961円です。
2023年10月以降は、時給1,004円となっています。
東京都は、2022年度で時給1,072円でしたが、
2023年10月に時給1,113円に改定されました。
物価の上昇が止まらない近年、
東京だけでなく、全国的に最低賃金は
みるみる上昇してきている状況です。
給与は最低賃金を上回っていますか?
最低賃金は毎年変動します。
それに伴い毎年確認が欠かせないのが、給与体系の確認です。
そこで認識しておきたいのが、時給の計算方法になります。
会社によっては、固定給が細かく分類・定義されているケースもあると思います。
そうした場合も含め、その職級(固定給)に対する時給が
いくらになるかの確認方法をしっかりと認識しておく事が欠かせません。
また、みなし残業や定額残業などを設定している場合は、最低賃金の改正に伴い、
設定されている時間数に対して定額残業代が下回っていないかも確認する必要があります。
注意事項
最低賃金額より低い賃金で契約した場合は無効とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。
また、会社が最低賃金以上の賃金を支払っていなかった場合、
会社は従業員にその差額を支払う必要があるとともに、罰則が適用されます。
ですから、人事担当としては、最低賃金についてしっかりと認識し、
アンテナを張り、常に最新情報を捉えておかなければなりません。
よくある質問
Q 最低賃金が適用されるのは誰?
A 正社員、契約社員、派遣社員、パート、アルバイト、臨時、嘱託など雇用形態に関わらず、各都道府県内で働く全ての従業員になります。
Q 派遣元事業場が●県で、
派遣先事業場が▲県となる派遣従業員は、派遣元と派遣先どちらで適用となる?
A 派遣先事業場のある▲県の最低賃金が適用されます。
Q 月給の場合、最低賃金の対象となる賃金は?
A 最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる固定給などの賃金です。
実際に支払われる賃金から、一部の賃金(割増賃金、精皆勤手当、通勤手当、家族手当など)を除いたものが対象となります。
最後に
最低賃金の目的と重要性について、
ご理解いただけたでしょうか。
まさに、知らなかったでは済まない
重要なポイントですね。
従業員から聞かれた際に
すぐに答えられるようにしておく事、
それが人事担当としての誠実な対応に
繋がるのではないでしょうか。
いまさら聞けないシリーズはまだまだ続きます。
それでは、次回もまたお会いしましょう。
お楽しみに!
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