今回のテーマは、従業員数に応じて対応が必要な事項「従業員数別対応項目」についてです。
従業員数に応じて、会社として届出や報告を行う義務が発生し、また整備しなければならない事項があることをご存知でしょうか?
従業員数が1人~50人までの場合の対応項目を、まとめてみました。
従業員数1人以上の場合
36協定届出(サブロク協定)
残業(時間外労働)や休日出勤を行う従業員が事業場に1人でもいる場合、
労働基準監督署へ届出が必要になります。ただし、管理監督者は36協定の適用外となるため、その事業場に管理監督者が1人のみという場合は、36協定の届出は不要です。
なお、労働組合などがない場合で、事業場の従業員数が2人以上の場合は、従業員代表の選任が必要となります。
従業員数10人以上の場合
規程届出
事業場に10人以上の従業員がいる場合、就業規則・給与規程などの規程を一式、労働基準監督署へ届出が必要になります。新規で作成した場合はもちろん、変更をした場合にも届出が必要です。
従業員数10人以上49人の場合
衛生推進者選任
その事業場において衛生推進者の要件を満たす経歴・経験を保有する従業員の中から、選任する必要があります。届出は不要で、従業員へ周知(掲示など)が必要になります。
もし、第一種・第二種衛生管理者資格(国家資格)を保有している方がいても、届出ではなく、衛生推進者の選任および従業員への周知が必要です。
従業員数31人以上の場合
高年齢者雇用状況報告 (書類名:高年齢者雇用状況等報告書)
会社の定年年齢や、65歳や70歳までの雇用確保や、就業確保措置の実施状況などをハローワークに報告するものです。
毎年6月1日時点の高年齢者の雇用状況の報告が必須になります。
従業員数40人以上の場合
障害者雇用・雇用状況報告 (書類名:障害者雇用状況報告書)
障害者手帳を持つ方を最低1人雇用する必要があります。
(民間企業の場合、従業員40人に1人雇用が必要)
毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告が必須になります。
従業員数50人以上の場合
従業員数が50人に達すると、会社は一気に色々な対応義務が発生します。
衛生管理者選任・報告
その事業場において、衛生管理者資格(国家資格)を持っている従業員を選任し、労働基準監督署へ届出が必要になります。
衛生管理者資格には第一種と第二種があり、会社の業種・事業内容によって必要な資格は異なります。
また、事業場の従業員数によって、届出が必要な資格取得者の人数が異なります。
産業医選任・報告
その事業場において、有効の産業医認定証を有した医師ないし、労働衛生コンサルタント登録を有する医師を産業医に選任し、労働基準監督署へ届出が必要になります。
衛生委員会の設置・運営
労働災害の防止と、従業員の健康と安全確保を目的とした委員会で、
事業場ごとに毎月1回以上開催が必要になります。
衛生委員会には、原則、産業医と衛生管理者の参加が必要です。
また、実施した衛生委員会の内容を議事録に残し、従業員へ周知が必要になります。議事録の保管期間は3年間です。
定期健康診断
1年以内ごとに1回、従業員に対し実施した、定期健康診断結果の報告書を
労働基準監督署へ提出が必要になります。
なお、業種によっては、健診回数や健診項目が異なります。
保管期間は5年間です。
ストレスチェック
1年以内ごとに1回、従業員に対し実施した、ストレスチェックの検査結果の報告書を労働基準監督署へ提出が必要になります。
ストレスチェックを実施したにも関わらず、受検者がいなかった場合でも報告書を提出しなければなりません。
色々な対応項目がありますね。
普段から労務に関する情報にアンテナを張っていないと、官公署への届出や報告などが遅れ、是正や指導など会社として指摘を受けることにもなりかねません。しっかり整理して、漏れなく対応していきたいですね。
弊社では、労務コンサルも行っております。労務のお困りごとがございましたら、ぜひ、お気軽にご相談ください。
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